2009年5月8日金曜日

漢字解説 - 間

突然ですが、今日は短歌を紹介しましょう。短歌とは和歌、つまり日本の詩です。

八重葎 茂れる宿は 人もなし まばらに月の 影ぞすみける

(やえむぐら しげれるやどは ひともなし まばらにつきの かげぞすみける)

簡単に説明すると、「草が茂って、荒れた家には人がいない。すき間のある屋根からもれる 月の光が澄んでいるだけだ」という さびしい情景をうたっています。(*1)


「すき間」という単語の「」が今日のテーマです。「間」の意味は「物と物、人と人、所と所などにはさまれた部分」、または、「ある時から別の時までの長さ」、「二つのものの関係」などですね。

漢字「間」を分解すると、「門」+「日」になりますが、新選漢和辞典(*2)によると、元は「門」+「月」で、「門のあいだから月光がさしてくること」を意味していたそうです。上の短歌の情景と似ていませんか?

次に、「間」の発音を見てみましょう。音読みは「カンケン」で、訓読みは「あいだ」です。

    カン:時間、空間、期間、中間、週間 など

    ケン:眉間(ミケン)、世間(セケン)

    ゲン:人間 (多分、これだけ)

    :居間、昼間、客間、晴間、手間 など

発音が多いですが、発音の基本的な規則性は「もう一つの漢字との組み合わせ」から見えてきます。「音読み+音読み」、「訓読み+訓読み」です。

「間」の場合は、「他の漢字の音読み+カン」と、「他の漢字の訓読み+」が基本のルールです。例えば、の例の「昼間」は訓読み+訓読みの「ひる+」で、意味は文字通り「ひるのあいだ」です。これに対して、「夜間」というのは「よるのあいだ」という意味ですが、発音は音読み+音読みの「ヤ+カン」です。つまり、発音は漢字の意味によるという訳ではありません。

そして、カンが少し変化したものが、ケンゲンです。でも、「音読み+音読み」の規則にはしたがっています。

もちろん、基本的ルールの例外もあります。の例の「客間」(お客さん用の部屋)は「客」の音読み「キャク」+「」になっています。ただし、「客」には音読みしかありませんし、「間」が「部屋」の意味の場合は「」と発音するので、「音読み+訓読み」の組み合わせになったのでしょう。「部屋」を意味する「間」の他の例は、居間、日本間、洋間などがあります。例外はかなり複雑ですね。

「漢字はおもしろい」という外国人の声をよく聞きますが、それぞれの漢字の音読み・訓読みを覚えるのはとても大変なことです。気を長く持って、がんばってくださいね。

ところで、今日は良いニュースがありましたよ。みなさんの日本語の勉強のはげみになるニュースです。日本に10年間住んでいるイラン人女性が日本語で小説を書き、文学界新人賞をとりました。すごいですね。

(*1)『花にもの思う春』、白州正子、平凡社、1997年

(*2)「新選漢和辞典-第七版』、小林信明編、小学館、2003年

4 件のコメント:

Jonathan さんのコメント...

イラン人でしたか。確かにそれはすごいです。僕もなんか書きたいんですが、賞がとれるものにはなりかねると思います。〈汗〉

minako okamoto さんのコメント...

Jonathanなら大丈夫ですよ。今から、たくさん書きためて、将来に何か出版してください!がんばれ!!

Rei - 莉 さんのコメント...

ご無沙汰してしまいましたすみません。

最近、おかもとさんのブログを読む暇がないほど忙しいですが、今もっと暇があるのですべての新しいブログを読みました。本当に便利でした、ありがとうございます!

「かける」の説明のブログが特に便利でした。今、おかもとさんのブログのおかげで「かける」の意味がよく分かると思います。

方言についてブログも好きでした。たいてい、アメリカ人は東京(関東)の日本語だけを勉強しますが、実は、日本には方言がたくさんあります。興味がありますね。

便利なブログを書いてくれたありがとうございます!

minako okamoto さんのコメント...

Rei-san,
おひさしぶりですね。学校の勉強が忙しいですか?
私も最近忙しくて、ブログを更新していませんが、6月になったら、しようと思っています。