2020年2月24日月曜日

とても難しい日本語の文

先日、私の生徒と日本の歴史のまんが(*1)を読んでいた時、すごく難しい文を見つけました。日本の歴史に関する単語も難しいのですが、その上、文の構造が複雑で、何と何がどう関係しているのか、ひと目見ただけで理解するのは大変そうです。では、その文を読んでみてください。
これは、明治になってもわが国に、男女の差別をはじめとする、上下の差別を重んずる封建的な考え方が、根強くのこっていたことを物語っているものです。
う~ん、やっぱり難しい文ですね。では、これらの文を助詞を手がかりに小さい部分に分けてみます。少し読みやすくなるでしょう。
  1. これは、
  2. 明治になっても
  3. わが国に、
  4. 男女の差別をはじめとする、上下の差別を重んずる封建的な考え方が、
  5. 根強くのこっていたことを
  6. 物語っているものです。
【単語リスト】 
明治:Meiji era
わが:our
男女の差別:gender discrimination
はじめとする:commencing with, including
上下の差別:hierarchical discrimination
重んずる(おもんずる):to respect
封建的な(ほうけんてきな):feudal
考え方:idea
根強く(ねづよく):firmly rooted, deep-seated
のこる:to remain, to be left
物語る(ものがたる):to tell, to indicate
それでは、6つに分けた部分を組み合わせて、文の構造を見ていきます。助詞の意味が重要ですから、助詞に集中してください。
  • 1+6
これ 
物語っている(ものです)。
"This indicates...." 
文の最初の「~」はその文のトピックです。そして、普通それは文の最後の動詞とつながっています。1の「これ」はここには書いていない前の部分の「身分差別の存在」を指します。
"The ongoing class discrimination indicates...."
「何を物語っているのか?」それをこれから理解していきましょう。
  •  2+3+4+5
明治になっても
わが国
(男女の差別をはじめとする、上下の差別を重んずる)封建的な考え方
(根強く)残っていた(ことを)
まず、(   )の部分を取って、文をシンプルにして考えます。
明治になっても わが国 封建的な考え方 残っていた
"Even in the Meiji era in our country the feudal ideas were firmly rooted." 
次に、一番難しい4の部分を分解して考えます。
「男女の差別をはじめとする、上下の差別を重んずる」は「封建的な考え方」の説明です。封建的な考え方とはどんなもの?という説明です。そして、それは「めがねをかけている人」(a person wearing glasses) と同じパターンです。
上下の差別を重んずる 封建的な考え方
"the feudal way of thinking which favored hierarchical discrimination"
そして、「上下の差別」とはどんな種類の差別を含むのか?一つの例は「男女の差別」です。
男女の差別をはじめとする 上下の差別
hierarchical discrimination including gender discrimination 
他の例なら、「東京をはじめとする関東地方に 雪が降った。」はどうでしょうか? "It snowed in the Kanto region including Tokyo." こんな風に訳せます。

5の部分は二つに分けて考えます。まず、「残っていた」は「封建的な考え方」とペアになる動詞です。ですが、「ことを」の「~」は目的語ですので、この部分は動詞を必要とします。「私はお茶を飲む "I drink water" 」と同じパターンです。「こと」に続く動詞は何でしょうか?それが、6の「物語っている」です。1+5「これは物語っている」(This indicates.) が何を物語っているのか?それが「こと」の部分です。

そして、この「こと」によってまとめられているものが、2+3+4+5の全てです。文全体を訳してみると、次のようになるでしょうか?
This (ongoing class discrimination) indicates that the feudal way of thinking which favored hierarchical discrimation including gender discrimination was deeply rooted in Japan even in the Meiji era.

まとめとしては、どんなに長い文でも最後まで読みましょう。日本語ではメインの動詞が最後に来るので、それをチェックします。そして、その動詞の主語は何?(それは普通「は」か「が」が付いているか、省略されている場合もある。)、目的語は何?(それは普通「を」が付いている。)と、助詞をチェックしながら、確認します。
例)毎朝 私は カフェで コーヒーを 飲む。
メイン動詞:飲む、主語:私は、目的語:コーヒー  
そうすると、文の基本の意味がわかりやすくなるはずです。
もし、何度読んでみてもわからない文があったら、コメント欄に送ってください。


*1『少年少女日本の歴史、第17巻明治維新』146ページ、小学館、1998年