2014年4月3日木曜日

とりあえず

4月になりました。今週、東京は桜の週です。先週末に一気に咲いた桜が満開になり、東京中で美しく咲いています。あいにく今日は雨がずっと降っているので、花が散ってしまいますね。でも、今週末までは楽しめるでしょう。日本では4月から学校と会社の新年度が始まるので、3月は別れの月、4月は出会いの月とされています。その出会いと別れをいろどるのが桜なのです。


桜またはお花見は日本人が大好きな日本文化のひとつですが、日本の食文化も日本が誇るものです。 そして、外国人にとっても日本に住んで、日本人と一緒に外食をするのは一つの大きな楽しみだと思います。まず、大体日本の食事はおいしいですし、レストランで色々な日本文化に触れることも多いでしょう。

では、居酒屋やレストランで最初の注文をする時に、「とりあえず生ビール!」というフレーズを聞いたり、使ったりしたことがありませんか?この「とりあえず」とはどういう意味でしょうか?和英辞書の例文を見てみると、「とりあえず」の英訳は一語ではないようです。
  1. とりあえず、今は私のペンを使って。 (Just use my pen for now.)
  2. とりあえず、店の前の掃除をしておいて。 (Clean up in front of the shop first.)
  3. できるか、どうかわからないけど、とりあえずやってみる。( I don’t know whether I can do it, but I will try anyway.)
英訳で見てしまうと、上記の全ての意味が違うようですが、「とりあえず」の意味と使い方がわかっている日本人からすると、上記の例は全て共通点があるように思えます。
その共通点とは「他のこと先のこと後ですることはおいておいて、今するべきことしたいことをする。」

日本語の国語辞典では次のような定義と例文があります。
1. 他のことはさしおいて、まず第一に    
例)大学の入学試験に合格したとりあえず、母に合格を知らせよう。
例)とりあえず、お金が必要だ。
2. 何かをする間もなく、すぐに
例)事故だ!とりあえずケガ人に応急処置をしよう。 
3. 先のことはともかく、今のところ 
例)とりあえず、そのままにしておく。 
これらの例文には先に書いた共通点の意味が全てに含まれていると思いませんか?
「とりあえずビール」の文に戻ると、「今、食事の初めに口にする物はビール」で、後で注文する物については今は考えない、または、後で考えるという意味が含まれています。これを聞けば、店員さんは「後で追加の注文があるんだな」と思うでしょう。でも、時々お店に入って、「あっ、この店 何か失敗しちゃったかな?」と思った時に、「とりあえずビール」と言っておいて、店員さんを安心させておく。その後、ビールをさっさと飲んで、何も注文せずに店を出ることもできますよ。

桜の時期は今だけ。仕事や勉強が忙しくても、とりあえず桜を見に行かないといけませんね!
 


 

2014年3月9日日曜日

「適当」の使い方

みなさんは「適当」という単語を使ったことや聞いたことがありますか?「適当」はよく使われていますが、不思議というか、変な単語です。どうしてかというと、意味や使い方が複数あるだけではなく、一見、それらの意味が反対のようだからです。では、その意味を比べてみましょう。
①目的、条件などにうまくあてはまること、ふさわしいこと。 英語: proper, suitable, right
例)この仕事に適当な人を探しています。 
例)悲しんでいる友人に適当な言葉をかけてあげたい。  

②程度がちょうど良いこと。 英語: proper, appropriate, as you like
例)しょうゆと砂糖を適当な量 加えてください。
例)大人の適当な睡眠量は一日7時間です。 
 
③やり方が無責任で、あいまいなこと。 英語: irresponsible, inaccurate, at random
例)友だちから飲み会に誘われたけど、行きたくないから、適当な返事でごまかした。
例)お客さんが来たが、忙しいので、適当に対応して、帰らせた。 
例)あの人 の名前を思い出せないから、適当に名前を言ってみて。 

このように見てみると、①と②は似ていますが、③は否定的な意味になっています。 でも、②と③の間には何か似ている感じがあると私は思っています。これは推測ですが、②の意味が否定的な方へずれていって、③の意味に到達したのかもしれません。
②の「程度がちょうどいい」というのは人それぞれ、ちょうど良さは違う訳です。②の料理の例がわかりやすいでしょう。「しょうゆと砂糖を適当な量、加える」というのは作る人の好みで量が決まります。それで、「適当な量」の解釈が次のように変化していったのではないでしょうか?
「ちょうどいい量を入れてください」 → 「あなたが好きな量を入れてください」 → 「あなたが好きなようにやってください」
さらに、次のように変化すれば、かなり無責任な感じが強く出ています。
「あなたが好きなようにやってください」 → 「あなたが好きなようにやればいい」 → 「あなたがやりたいようにやればいい」
しかし、日常会話の中で話し手がどの意味をもって「適当」という言葉を使っているのかは、場面や話の流れ、話し方などを考慮に入れて、選びましょう。次の例を見てください。

Aさんは忙しいので、Bさんに仕事を頼みます。
A: Bさん、次の会議の資料を適当に作っておいてくれる?(1)
AさんはBさんが作った資料を見ましたが、その出来に満足していません。
A: Bさん、これ適当に作ったでしょ?(2)
(1)はAさんはBさんに「あなたが会議にふさわしいと思う資料を、作って」と、Bさんに仕事をまかせています。①と②の意味ですね。
(2)はAさんはBさんの資料が会議にふさわしいとは思っていないので、無責任に作ったことやていねいに作らなかったことを責めています。③の意味ですね。

他にも「プレゼンテーション前のあいさつで、何か適当なことを言ってください」とか、「適当なことばかり、言わないで!あなたのことは信用できない」などの例もあります。どの意味が使われているかわかりますか?背景を考えることが大切です。


ところで、今週火曜日3/11は東日本大震災から3年目の日です。被災者の方たちの苦労はまだまだ続いている中、この3年で何が変わったのか、多くの日本人が考えていると思います。

私自身の本当に個人的なことを話すと、地震前と地震後の違いは「多分(かなり高い確率で)、東京でも大地震が近いうちに起きるだろう」といつも頭のどこかで考えるようになったこと。子どもの時から学校で「大地震が起きるかもしれないから準備をしておきましょう」と教えられてきましたが、私が住む神奈川/東京近辺では、びっくりするような大地震は3年前まで一度も起きませんでした。それで、地震への心配はほとんど無い状態でしたが、やはり日本に居る限り大地震に遭遇するのだと認識しました。

また、地震直後の3年前と3年後の今を比べてみると、原発(原子力発電所)の問題がほぼ何も変わっていないことがとても残念で、不安です。事故が起きた原子炉の状態は何も改善されていませんし、日本が原発を再び使い始めるという方向へ動いていることも恐ろしいです。放射能による体への被害(特に、子どもたち)や食物への被害はこれからも続きます。どこに住んでいれば安全なのか、どこで生産された物を食べれば安全なのか、明確な答えはないので、自分で線を引かなければならないのです。こんなことは震災前に考えたことがありませんでした。でも、今はそうしなければならないのです。
 
 
 
 
 

2014年3月5日水曜日

ウェッブサイトが新しくなりました。

私たちの日本語ウェッブサイトが一新しました!興味のある方は是非ご覧ください。
http://privatejapaneselesson.com/

3月の投稿のテーマは決まっているので、まもなく書きます。こちらもよろしく。


2014年2月7日金曜日

「も」= too, as well, also

*English translation

先日、京都に行って来ました。12月末に行ったばかりですが、京都は大好きな町なので、何度行って楽しめます。12月の京都旅行では歌舞伎を見ました。また、いくつかのお寺で日本の古い美術を見ること目的でした。今回は友人の結婚式に出席するために、京都へ行きました。結婚式は神社で伝統的な様式で行われたので、私にとっておもしろかったです。その後のパーティー日本風で、花嫁花婿は和服、料理は懐石でした。それに芸者と舞妓登場しました。
日本に住んでいる、または来たことがある方たちは知っているように、現代日本の生活は和洋折衷(わようせっちゅう)で、普通は伝統的な日本のスタイルだけで生活している訳ではありません。そのため、このような日本らしさを体験できると、日本人でうれしくなるのです。
さらに、真冬の京都はとても寒いことで知られていますが、私が行った日は12度あって、寒くなかったため、幸運でした。

さて、今日は追加を意味する「」について書きます。「」= too, as well, also
意味を理解するのは難しくないと思いますが、日本語と英語の使い方は少し違うようです。英語の場合、これらの単語は文の終わり、または動詞の前などに置くことができますが、「も」はそうではありません。外国人が「も」を使う時に、too  と as well のように、それを文の終わりに付けることがありますが、これは正しくありません。

ちなみに、「も」と「もう」の違いは聞きとりにくいですが、意味は全く異なります。では、以下が「も」の使い方の規則です。英語と日本語を比較しながら見ていきます。

①名詞(追加するもの)+「
  • "I like opera." "Me too."
  • 「私はオペラが好きです。」 「私。」
②「も」は助詞「」と「」と「を」に取って代わる。
  • John has been to Paris. I have been to Paris, too.
  • ジョンはパリに行ったことがある。私パリに行ったことがある。
*他の人(ジョン)に加えて、私
  • I teach five days a week. I also teach evening classes.
  • 私は週に5日教えている。夜のクラス教えている。 
*他のもの(昼のクラス)に加えて、夜
③「も」は助詞「」と「」には取って代わらず、それらを残して、「も」を付ける。
  • I have been to Paris. I have been to Rome, too.
  •  私はパリに行ったことがある。ローマ行ったことがある。
*他の場所(パリ)に加えて、ローマ。(日本語初級者向けの教科書ではこの「に」が省略されている場合が多い。)
  • "Are you going to Hokkaido by plane?"  "You can go there by train, too."
  • 「北海道に飛行機で行くの?」 「電車行けるよ。 」
*他の乗り物(飛行機)に加えて、電車
④「も」を使う場合、文を二つに分ける。「も」を含む文は二つ目の文になる。
  • She speaks French, German, and also Russian.
  • 彼女はフランス語とドイツ語を話す。そして/それに、ロシア語話す。
⑤形容詞+「も」は不可能。
  • He is young, good-looking, and also rich.
  • 彼は若くて、かっこういい。そして/それに、お金持ちも(??)
  • 彼は若くて、かっこういい。そして/それに、お金持ちだ。(correct)
⑥否定文でも「も」は使える。
  • "I don't like cats." "Neither do I."
  • 「私は猫が好きじゃない。」 「私。」
以上が基本のルールです。そして、これらを応用した表現もあります。一つの文の中に、同じ種類のものを並べる使い方です。
  • She speaks French, German, and also Russian.
  • 彼女はフランス語、ドイツ語、ロシア語話す。
*並べた全ての名詞に「も」を付ける。
  • He can play guitar, and sing, too.
  • 彼はギターを弾くこと、歌うことできる。
*「弾く」と「歌う」は名詞ではなくて、動詞ですが、「こと」を付けて名詞形にしているので、「も」と一緒に使える。
  • Neither Jim nor Joe nor I went home.
  • ジム、ジョー、私家に帰らなかった。
*否定文も可能です。また、この文が少し変わって、"Nobody went home." になると、日本語は「だれ家に帰らなかった。」になります。

では、最後にクイズです。日本語上級者の方にはここまで難しくなかったと思います。それで、ちょっと考えてみてください。次の英文は日本語にどうやって訳しますか?これも難しくないと思いますが・・・
  • It seems a little sweet to me, too.
  • It also seems that he know everything.
また、この投稿の最初の部分では、追加の「」だけではなく、他の意味の「」も使っているので、それも考えてみてください。

 結婚式が行われた平安神宮(へいあん じんぐう)

2014年1月19日日曜日

本のおすすめ

私の趣味のひとつは読書です。それで、みなさんに少しずつ日本語の本をおすすめしようと決めました。日本語の本といっても、教科書ではなくて、小説などです。
日本語的にも、内容的にも比較的読みやすいものを紹介します。
もう少し詳しく説明すると、日本語的に読みやすいというのは、難しい単語が多すぎないということ。例えば、海外でも人気の三島由紀夫(みしま ゆきお)の日本語は美しいですが、漢字が多すぎます。
また、内容的に読みやすいというのは、身近なテーマについて書かれているということ。現代の家族の話などがいい例です。一方、歴史についての本などは基本的な知識が前提になるので、おすすめしません。
このブログの右側に「この本がおすすめ」というセクションを追加したので、興味がある方はたまにチェックしてみてください。リストを少しずつ増やしていこうと思っています。

2014年1月12日日曜日

仕事納めと仕事始め

日本で働く方のほとんどは先週が「仕事始め」だったと思います。お正月休みの後の最初の週はどうでしたか?私には一週間が長く感じました。また、朝6:00に起きる習慣に戻るのがつらかったです。ラッキーなことに、明日月曜日は成人の日でお休み。うれしいですよね。

話は年末に戻りますが、「仕事始め」の反対の言葉は「仕事納め」(しごとおさめ)。年末年始には「仕事納め/始めはいつですか?」という質問がよく聞かれます。この「おさめる」という単語の説明をしてほしいというリクエストがあったので、今日はそれを書いてみます。
まず、「おさめる」には「納める」「収める」「治める」の漢字があります。
  • 納める・収める:きちんと入れる  
例)物を箱におさめる。→収納(しゅうのう・ storage)

  • 収める:手に入れる 
例)勝利を収める。  収入(income)

  • 納める:お金や物を渡す 
例)税金を納める。→納税(のうぜい)  注文の品物を納める。→納品(のうひん)

  • 納める:物事をそれで終わりにする 
例)今日で今年の仕事を納める。→仕事納め

  • 治める:乱れているものを落ちつかせる、世の中を秩序ある状態にする
例)紛争を治める。  怒りを治める。  国を治める。→政治


このように見ると、色々な使い方があるように思いますが、実は基本は「物事があるべき場所にある」とか「物事があるべき状態になる」という意味なのでしょう。

日本語はもともと音が少ない言語ですし、漢字で複数の意味が表わせるので、音/ひらがなが同じでも、意味が違うという場合がよくありますね。この特徴を生かして、言葉遊びを楽しんでいる作家もいます。
多和田葉子(たわだ ようこ)は『かける』という作品で動詞の「かける」を何回も使って、文章を作りました。辞書を引くとわかりますが、「かける」はたくさんの意味がある動詞です。『かける』から最初の一文を引用してみます。
枕にカヴァーをかけ、ブラウスにアイロンをかけ、掃除機をかけ、洗濯機をかける主婦の仕事にはあまり縁のないわたしでも、朝食のトマトには塩をかけ、原稿を書くためにめがねをかけ、椅子に腰をかける。(*1)

長い文の中に「かける」が7回も使われています。「掃除機をかける」と「洗濯機をかける」 は同じ意味の「かける」ですが、これ以外は全部意味が違いますね!興味のある方は続きを読んでみてください。

*1 "Read Real Japanese Fiction", editted by Michael Emmerich, Kodansha, 2010


 
 
 

2014年1月4日土曜日

2014年 お正月

あけましておめでとうございます。2014年(平成26年)です。
年賀状を書いて、もらって、おせち料理やおもちを食べて、着物を着て、神社に行って、毎年同じことをするだけですが、今年もよいお正月になりました。
みなさん、健康でよい一年をお過ごしください。日本語の勉強もがんばりましょう。
今年もよろしくお願いします。