さて、今日は「直訳できない」シリーズを一つ増やそうと思います。
"I almost forgot." を「ほとんど忘れた」と訳してしまう人はいませんか?実はこれは正しくありません。「ほとんど忘れた」は別の意味になってしまいます。
- 覚えた漢字をほとんど忘れた: I forgot almost all of the kanji I had remembered.
- 覚えた漢字を全部忘れた:I forgot all of the kanji I had remembered.
"I was very close to the point of forgetting something."
このように "Something is (was) nearly happening." の感じは「そう」を使うといいでしょう。教科書で習った例文を思い出してください。
- 雨が降りそうです。:今から雨が降る可能性がある。
- 雨が降りそうだった。:雨が降る可能性があった。でも、降らなかった。
"I was very close to the point of forgetting something, but I remembered it at the last moment. " この状況はまさに「~そうだった」と同じです。それで、"I almost forgot." は「忘れそうだった。」と訳すことができます。
では、次に日本語の文から考えてみましょう。
「彼女はたおれそうだった。」これはどんな状況でしょうか。
他の例もあげるので、場面を想像してみてください。
交差点で2台の車がぶつかりそうだった。
くしゃみが出そうだったけど、がまんした。
彼は海でおぼれそうになった。(「そうになる」も使える。)
疲れて、死にそうだった。最後の例は大げさ (exaggerating) な言い方ですが、けっこうよく使われると思います。