以前に外国人と日本語で話している時に、私が「なんでもない」と言ったら、その外国人に「どういう意味?」と聞かれて、私は "Nothing." と答えました。そしたら、「"nothing" は『なにも』でしょ?」と言われて、私もその時に???と思ったことがありました。
その後で、「なんでもない」と「なにも」の違いを考えることを忘れていましたが、今回のブログのために差を分析してみました。みなさんはもう知っているかな?
教科書でも最初に出て来る "nothing" は「なにも」ですね。なにもしません、なにも食べません、なにもありありません、など。上級者のみなさんには簡単ですが、ちょっと見てみましょう。
質問:冷蔵庫になにがありますか?
- 冷蔵庫に 水も ない。
- 冷蔵庫に 卵も ない。
- 冷蔵庫に 野菜も ない。
- 冷蔵庫に なにも ない。
ちなみに、次の文はニュアンスが違います。
冷蔵庫に お茶は ない。これは「水やビールや食べ物(他の物)はあるけど、お茶に限ってはない。」ということになります。この「は」は限定を意味します。
次に、「なんでもない」を考えてみましょう。
質問:あなたの言ったことは なん(どんなこと)ですか?
- それは おもしろいこと でも ない。
- それは いいこと でも ない。
- それは たいせつなこと でも ない。
- それは なんでも ない。
「Xではない/じゃない」が限定の「は」を使っていて、"It' not (at least) X." という意味であるのに対して、「Xでもない、Yでもない、Zでもない」は完全否定を導くためのリストです。
- It's not interesting.
- It's not good, either.
- It's not important, either.
- It's nothing.
これはなにかの存在を表す文ではなくて、「トピックに値するもの、もしくは等しいものがない」ということです。これがさらに進んで、普通は「トピックはたいしたことがない」という意味で使われます。
以上の異なる2つの表現を考慮すると、英語で次の二つの例のように簡単に答える場合、それらを日本語に訳すと「なにもない」と「なんでもない」、違う答えになります。
A) Do you have any plans tomorrow? Nothing.
B) What are you talking about? Nothing.
A) 明日、予定ある? なにもないよ。(予定が存在しない)
B) なに話してるの? なんでもないよ。 (話していることはたいしたことじゃない)英語では "Nothing !" の一言で済ませることができる場合でも、その中に含まれている意味を考えないと、正しい日本語にはならないことを忘れないでくださいね。