2011年9月8日木曜日

「べき」と「はず」

9月になって、東京では気温は高くても、湿度が低いさわやかな日が続いています。少しづつ秋に近づいていますね。しかし、こんな天気が始まる前、先週は日本に大きな台風が来て、ひどい被害を残して行きました。その前にはアメリカ東海岸にも大きな台風が来ましたね。また、地震のないワシントンD.C. やNYで地震があったと聞いて、びっくりしました。今年は世界各地で自然災害のニュースが多くて、怖い気がします。今週末には3/11の東日本大震災から半年が経ちます。

さて、今日のテーマは「べき」と「はず」です。この二つの違いは何?とよく聞かれますが、日本人からすると、どうしてこの二つが似ているの?と思ってしまいます。「べき」と「はず」は意味や使い方がとても違うからです。でも、多くの人が「べき」と「はず」の違いがわからない理由は、英語にすると二つとも "should" だからですね。

まず、英語の辞書で "should" の定義を見てみましょう。
  • indicating advice or recommendation: 1) He should stop smoking. 2) They should have called the police.
  • drawing a tentative conclusion: 1) We should arrive before dark if we leave now. 2) The road should be less crowded today because it is Sunday.
indicating advice or recommendation は「べき」の意味です。英語の例文は日本語で次のようになります。
  1. 彼はたばこをやめるべきです。
  2. 彼たちは警察に電話をするべきだった。
「べき」はアドバイスをする時に使う「方がいい」とほぼ同じ意味ですが、「べき」の方が強いアドバイスになり、よりフォーマルです。

そして、drawing a tentative conclusion は「はず」の意味です。英語の例文は日本語で次のようになります。
  1. 今、出れば、暗くなる前に着くはずです。
  2. 今日は日曜日だから、道はあまり込んでいないはずです。
「はず」には話し手の予想 (expectation) や確信 (certainty) が表わされています。ですから、「はず」は「思う」と似ています。もちろん、「はず」の方が「思う」より確信度が高いです。そして、「はずない」は「はずの前の部分が起こらない」という確信がとても高い場合に使われます。確信がないという意味でははないので、注意してください。
  1. 彼は来るはずです。(I am certain that he will come.)
  2. 彼は来ないはずです。(I am certain that he will not come.)
  3. 彼は来るはずない。(I have no doubt that he will  not come.) つまり、彼が来る」ことが起こらないと確信している
  4. 彼は来ないはずない。(I have no doubt that he will come.) つまり、「彼が来ない」ことが起こらないと確信している。二重否定なので、強い肯定になります。
かなり、複雑ですね。
でも、「べき」と「はず」の意味は違うことははっきりしましたか?まず、この二つを英語で考えるのをやめましょう。やめるべきですね。

ところで、今回 "should" を辞書でひいて、"should" が "shall" の過去形であることを久々に思い出しました。学生の頃そう習いましたが、すっかり忘れていました!

6 件のコメント:

Tae Kim さんのコメント...

私の個人的な経験では、"shall"はほとんど使われない気がします。そして、"should"は普通に現在や未来の時に使うのに、過去形ですか?過去の場合は、"should have"といいますけど…。英語の文法は複雑でよく分かりません。

minako okamoto さんのコメント...

確かに "should" は、"shall" の過去形としてではなく、それ自体が意味を持っていますよね。元々は "shall"から来ているということなのでしょう。

日本語でも、例えば「くれる」と「ください」は別々の単語ですが、「ください」は元々の「くれる」が変形したものです。

mijokijo さんのコメント...

「~したほうがいい」と「べき」の違いは何ですか?

1:「彼女はタバコをやめたほうがいい」
2:「彼女はタバコをやめるべき」

同じ意味ですか?

minako okamoto さんのコメント...

mijokijo san,
「ほうがいい」と「べき」は同じ意味です。「べき」の方が強くて、フォーマルです。
普通に友だちに話す時などは「ほうがいい」を使えばいいと思いますよ。

Junko Lazell さんのコメント...

こんにちは。英国で 日本語を教えています。
確かに 英語のshouldはいろいろな意味がありますから言葉の定義も合わせて確認しながら教えたほうがいいですね。
ところで「ほうがいい」と「べき」が同じ意味と言うのは どうでしょう。私は 使い方がちがうと思います。

「ほうがいい」は話しての提案で 聞き手は 選択の余地が あり 提案を受け入れるかどうかは 聞き手が自由に選択できる感じがします。聞き入れる聞き入れないは あなたの 自由ですよって言うかんじで ソフトなイメージですが、「べき」の場合は、もっと強い調子で提案を受け入れないと、 後で何か悪いことや、困難な状況が発生するようなときに使う気がします。話し手が 聞き手に、あまり選択の余地が、「ほうがいい」よりもないようなときにつかいますね。

なので生徒さんに 同じ意味ですよと言ってしまうと、「べき」のほうが 短い言葉なのでそればかりを乱用してしまいそうです。言い方によっては、 言われた日本人が不愉快に思う機会を増やすのではないでしょうか。それは生徒さんによってもマイナスだと思いますが いかがでしょう。

Minako Okamoto さんのコメント...

じゅんこさん、コメントありがとうございます。イギリスで教師をされているのですね。

「べき」と「方がいい」の違いはおっしゃるとおりだと思います。教師はその違いを把握しておくべきですが、そこまで違いを学習者に説明するべきでしょうか。(もちろん、超上級者にならいいと思います)

それで、私は以下のように書きました。

「べき」の方が強くて、フォーマルです。
普通に友だちに話す時などは「ほうがいい」を使えばいい。

ネイティブではない人に対して、完全な説明は必要な時とそうでない場合があるというのが私の持論です。
教師によって、その対応も異なっていいと思いますが。

そして、私の経験では「べき」より「方がいい」を使う人が多いと感じています。「方がいい」は普通の比較表現でも使い慣れているからでしょうか。
なので、じゅんこさんが心配するようなことはあまり起きないと思います。