2019年9月28日土曜日

のに・・・

皆さん動物が好きですか?私はペットを飼ったこともないし、動物は好きでも嫌いでもいのですが、私の周りには動物好きが多くて、9月はドッグシッターを一週間、キャットシッターを一泊頼まれました。やっぱり、動物は愛らしいですね。一緒にいるとすぐに可愛く思えてきました。来月は一週間のキャットシッターをします!

さて、日本語の話をしましょう。生徒たちから「のに」の意味はわかるけど、「文章がそれで終わるのはわかりにくい」と、よく聞きます。たしかに、文の構造が逆になったり、文の後半を言わないで終わったりするパターンは会話でよく使われます。でも、日本人の会話のスピードについて行けるようになるまでは、「のに」の前後を素早く正しく理解するなんて、難しいですよね。

それでは、今日は例文と文の形を並べて、ていねいに意味を考えましょう。
携帯電話を買ったばかりなのに、もう壊れた。【A のに、B。】
事実 A の後に起こった結果 B に対して、予想外、または満足できないという気持ちを表す場合に、「のに」を使います。しい携帯がすぐに壊れることは予想外ですね。そして、絶対に満足できません。この文のパターンは「のに」のきれいな使い方で、教科書で習うものです。

一方、話し言葉に出てくるパターンは普通、文が2つに分かれて、A と B の順序が反対になりますが、意味は同じです。
山田: 携帯が壊れた。買ったばかりなのに。【BA のに。】 
次からの例文は二人が話しています。 
① 
山田: 携帯が壊れた。【B。】
田中: (あなたは携帯を) 買ったばかりなのに。【A のに。】
田中が山田の残念な気持ちを代わりに述べています。そして、B を再度言う必要はありません。
 山田と田中は昼ご飯を食べにラーメン屋に来ました。人気店なので、11:00に来ました。
山田: わっ!このラーメン屋、もう大勢並んでいる!! 【B。】
田中: 早く来たのに。【A のに。】
話し手は自分の気持ちを早く表したいものです。それで、びっくりしたことや、不満を強調するために、それ (B) を最初に言って、その後でなぜそう思うかという背景 (A) を述べながら B の部分をサポートしています。
山田: 私たちのチームはあと少しで勝てたのに。【A のに。】
田中: 残念だったね。
例③は B がありませんが、容易にその内容が予想できますね。山田も田中も満足していない結果なので、このチームは負けた。B の部分を言わないパターンです。
この文を全部言うと、次のようになります。
私たちのチームはあと少しで勝てたのに、負けた。【A のに、B。】
山田:昨日のパーティーは楽しかったね。
田中:うん、鈴木さんも来れば良かったのに。【A のに。】 
③と同様に B が述べられていないので、それは何か推測してみましょう。「~ば良かった。」(It would have been better if someone had done...) はそれ自体が、事実に対して後悔や不満を表す文なので、田中の文から「鈴木は楽しいパーティーに来なかった」ことがわかります。それで、田中はそのことを残念に感じているのは明らかですが、それだけでなく「鈴木がいれば、鈴木も楽しんだだろう」という気持ちも入っているのではないでしょうか。

次の例も「~ば良かった」を含んでいます。
⑤ 
山田: 田中さん、先週末 引っ越しだったんでしょ?
田中: うん。
山田: 言ってくれれば良かったのに。【A のに。】
この例は①と②と③と④ほど、A と B の関係が直接的ではないでしょう。
⑤で山田の不満 (B) は、田中が引っ越しのことを言わなかったことと、自分が手伝えなかったことの二つだと思います。会話の中に「手伝う」という単語は出ていませんが、文脈からそれが推測できますね。完全な文は次のようになるでしょう。
あなたが引っ越しのことを言ってくれれば、私は手伝ったのに、あなたが言わなかったから、私は手伝えなかった。
「~ばよかったのに。」を聞いたら、それは "should have done, but" だと考えるといいでしょう。そうすると、「のに」の後に続くはずの部分がわかると思います。「日本語は "context" の言語だ」という外国人がいますが、その通りですね。