2019年7月15日月曜日

わすれた v.s. わすれていた

先月は「わすれそうだった:I almost forgot. 」という文について書きました。その後、「わすれた」と「わすれていた」の違いは何か?という質問をもらったので、今月はそれについて考えましょう。

まず、「~た」と「~ていた」の使い方を確認します。
  • 太っ:体重が増えた。ある特定の時に起きた変化。
  • 太っている:体重が重い。今を含む期間の状態。
  • 太っていた:体重が重かった。今は含まない過去の状態。(今は太っていない。)
  • 起き:目が覚めた。ある特定の時に起きた変化
  • 起きている:目が覚めている。今を含む期間の状態。(今は寝ていない。)
  • 起きていた:目が覚めていた。今は含まない過去の状態
上の二つの例と同じように、「わすれる」を分析しましょう。
  • わすれ:覚えていたことが頭の中から消えた。
  • わすれている:覚えていたことが頭の中にない。(今、覚えていない。)
  • わすれていた:覚えていたことが頭の中になかった。(今は思い出した。)
これらを見ると、「~た」は特定の時間に起きたこと、つまり瞬間的で、「~ていた」は過去の状態、つまり時間の幅があります

それで、「わすれた」は友だちの名前や覚えていた漢字の記憶などが急に消えたという場合に使うのがいいでしょう。
東京駅から渋谷駅まではいくらだっけ?わすれた! 
家を出る時、窓を閉めるのをわすれた!(「家を出る時」という特定の時間に、窓を閉めなかった。)
これに対して、「わすれていた」は、例えば日曜日の朝母に電話をする約束があったのに、その約束に気が付いたのは日曜日の午後だった。予定を過ぎていて、いつわすれたかははっきりしませんが、その時から「気が付く」までに時間の幅があります
30日までに家賃を払うのをわすれていた!今日は2日だ!
 友だちの誕生日は昨日だったのに、わすれていた!今日思い出した!
ただ、「家賃払うのをわすれちゃった!」とか「友だちの誕生日をわすれゃった!」という言い方もできますが、厳密に言うと、「わすれていた」の方が正しいのだと思います。