さて、今日は日本語の基本、助詞の「は」から始めましょう。
私は みなこです。
「私」はこの文のトピックです。つまり、「は」はトピックマーカーで、これから「私」について話しますよーということを教えてくれます。
明日は 公園で さくらを 見ます。「明日」に「は」は必ずしも必要ないですが、「明日は」となると、「明日について話すよ」というニュアンスが出ます。
時々このブログで私が引用している Jay Rubin さんは次のように書いています。(*1)
Notice that wa builds suspense, arousing curiosity in the reader or listener about what is to come. If the speaker were to pause at the wa, the listener's brain would whisper subliminally, "Yes, yes, and then what?"
聞き手の気を引いた上で、話し始めるという日本人って、なんだかおかしいですね。
これに似ている他の例は「Xなんですが、」と話し始めるパターン。先日生徒に質問されました。
YouTube を見ていたら、日本人が「このコーヒーメーカーなんですが・・・」と話し始めた。なんで「なんですが」を使っていますか?
「なんですが」の機能は、「この新しいコーヒーメーカー、またはこのお気に入りのコーヒーメーカー、またはこのおすすめのコーヒーメーカー、について話しますよ!」というイントロダクションです。
「なんですが」の面白い点は「注目してくださいね!」という機能がありながら、なんだか控え目で、遠慮している印象を与えるので、日本人には使いやすいのだと思います。
「このコーヒーメーカーは・・・」と話し始めてもいいのですが、「このコーヒーメーカーなんですが・・・」の方が何か話が始まるぞという感じが強い気がします。
上司に質問する時には「この点なんですが・・・」と会話を始めてみるのはどうでしょうか。
相手が友だちなら「これなんだけど・・・」とカジュアルバージョンにしてみてください。
*1:"Making sense of Japanese-What the textbooks don't tell you", Jay Rubin, Kodansha, 2012