2012年7月4日水曜日

消滅寸前言語

*English translation

7/1にJLPTを受けた方、お疲れさまでした。テストは難しかったですか?
日本語を母国語として話す人の数は日本の人口を基にして、約1億3000万人。世界の中で母国語人口が9番目に多いそうです。(1位は中国語、2位は英語) 
でも、日本語は日本でしか使えないので、便利な言語かどうかはわかりませんね。

先日私はたまたま手に取った『ナショナル・ジオグラフィック』の記事を読んで、とてもびっくりしました。
「2週間にひとつ、地球上から言語が消えている。」
現在世界には6000~7000の言語がありますが、100年以内にこの半数が消えるそうです。 ユネスコは約2500の言語が消滅の危機にさらされていると発表し、最も危険な言語は538あります。その中のひとつが日本の北海道などでわずかに話されているアイヌ語。何と、話者は15人程。

そして、日本の中には「重大な危険」または、「危険」と分類された言語が他に7つもあります。
  1. 八重山語 (やえやまご)
  2. 与那国語 (よなぐにご)
  3. 沖縄語  (おきなわご)
  4. 奄美語  (あまみご)
  5. 国頭語  (くにがみご)
  6. 宮古語  (みやこご)
  7. 八丈語  (はちじょうご)
7番の八丈語は東京の南方に位置する八丈島の言語ですが、それ以外は沖縄や鹿児島付近の言葉です。ユネスコはこれらの言語を「方言」ではなく、「独立の言語」と認めています。
恥ずかしながら、私は日本で標準語と違う言語はアイヌ語と沖縄語しか知りませんでした。でも、地理的に考えれば、島々では昔は人々の行き来が少なかった訳ですから、独自の言語が発達するのは当然ですね。

文字の発明は人類の発明の中で最も重要なものと言えます。そして、言語の発展はその言語を話す人々の歴史や文化の象徴です。何百年もかけて、成長してきた大切なものが無くなってしまうのは大変惜しいことです。

でも、言語の世界も「弱肉強食の論理」が成り立つんですね。国が統一されていくのと共に、言語も主要な言語に取って代わられていく。日本国内なら日本語、世界を見れば、英語、中国語、ヒンディ―語などが話せれば、生活しやすい。つまり、少数言語は話す必要がなくなるのです。

現代の生活で飛行機の旅やインターネットなどが普及したことによって、世界がどんどん小さくなっていっています。また、都市化が進むことで、少数派の文化が主流の文化と同じ様なものになっていきます。その後ろに失われていく大切なものがあることを忘れてはいけませんね。

ところで、私が小学生の時、東京ディズニーランドができて、家族と遊びに行きました。ディズニーランドの乗り物のひとつに "It's a small world" というのがあって、お客さんはボートに乗りながら、アトラクション内を回ります。そこには世界中の民族衣装を着た人形がたくさん並べてあって、人形たちが "It's a small world" の歌を歌い、平和な世界が作りだされていました。
東京ディズニーランドなので、もちろんその歌は日本語でした。人形たちは「せ~かいは せまい~♪」と歌っていて、私は小学生ながらに違和感を感じたのを覚えています。「世界は狭いの?世界は広いから、おもしろいんじゃないの?見たことも、行ったこともない場所は広い世界にあるんじゃないの?」
さらに、普通「狭い」という単語は「家が狭い」とか「道が狭い」とか、否定的な意味で使われることが多いので、「せ~かいは せまい~♪」と明るく歌っていることが、余計におかしく感じたのです。

世界が狭くなればなるほど、独自の文化を持ち続けることは難しくなるのですね。それは避けられないことなのでしょう。

300年前の江戸の人々が話していた日本語が私にわかるでしょうか?