私にとっても、もちろん村上春樹は一番の作家です。彼の作品を読むたびに、彼と同じ時代に日本に生きて、同じ言語を共有しながら、彼の書いたものを理解できるという喜びを感じます。彼の作品は色々な言語に翻訳されているので、世界中の人たちが読むことができるのですが、やはりオリジナルの言語は日本語ですし、外国語に翻訳しにくい部分や、日本人なら当然のように受け入れられることも作品の中にはたくさんあるでしょう。そういう訳で、彼の書いたものをそのまま理解できるというのは「日本語を話す人の特権だ」と思うほど、彼の本が好きです。
今年、NHKのラジオ番組で『英語で読む村上春樹』という番組があります。「村上春樹の作品を日本語と英訳で読んでみよう」というものです。
この番組は英語を勉強する日本人向けに作られているのですが、番組用のテキストは日本語と英語を比べているので、日本語授業の教材としても使えます。
この番組で10月からは『かえるくん、東京を救う』という村上の作品を採りあげています。すると、さっそく、この「かえるくん」という言葉をどう翻訳するかという問題にぶつかります。どう訳しているか興味のある方はご自分の言語の翻訳版を見てみてください。さらに、みなさん自身の日本語訳と比べてみるのもおもしろいと思います。おもしろい違いを見つけたら、ぜひこのブログにコメントをして教えてください。
村上春樹はやはり、私の外国人生徒たちや友だちにも人気で、ほとんどの人たちが彼の本を一度は読んだことがあります。村上作品のファンだから日本に来たという観光客にも会ったことがあります。彼は本当に日本を代表する日本人ですよね!
私はよく村上のエッセイを教材として使っています。小説は長いので授業中に読むのはなかなか大変ですが、彼の書いたエッセイは2ページぐらいなので早く読めますし、小説には現れていない村上の違う面を知ることができるのです。何より、村上ファンの生徒たちが楽しんで読んでくれます。そして、彼の日本語を教える立場から読んでみると、複雑な文を書いていないことがよくわかります。
エッセイは日本語ではたくさん出版されているので、興味のある方は本屋などで探してみてください。
以前に教えていた生徒の一人は「ある夜、村上がよく行く東京のジャズバーで村上に会って、サインをしてもらった」という話をしてくれました。その時に「どうして私に電話で知らせてくれなかったの?!」と私は怒りましたが、実際会ったら何を話していいかわからないでしょうね。
みなさんは彼のどの作品が好きですか?私は一番を選ぶことができませんが・・・
村上の出身地 京都伏見(きょうと ふしみ) |
11 件のコメント:
「羊を巡る冒険」(日本語版)はとても良かったと思います。
みなこさんは読んだことあるはずです…
Donaldさん、「羊をめぐる冒険」を日本語で読んだのですね、すばらしいです。
この本も大好きですよ。冬が来ると、毛布にくるまって読みたくなります。真冬の北海道にも行きたくなります。
そこまで言っていますから、今日Book-Offでデビュー作の『風の歌を聴け』を購入しましたよ。
ジョンさん、
「風の歌を聴け」は村上の希望で英語版が発売されていないんですよ。
日本語で読むしかないので、いい本を選びましたね。
こんにちは、
今までは村上の作品を読んだ本は4つがあります。それは海辺のカフカとノルウェイの森とSputnik SweetheartとAfter Darkです。全部は英訳版ですけど、いつか日本語版を読みたい。。笑
一番好きな本は、やっぱりノルウェイの森です!なんか懐かしくて悲しい話を感じますよ!更に、私はいつも1960の時代が好きです。
Jerfareza san,
「ノルウェイの森」は大切な人がたくさん死んでしまって、悲しみがあふれている作品ですよね。
「海辺のカフカ」を読んで、私は村上が大好きになりました。最初は英語で読んだんです。それで、すごく感動して、次に日本語版を読みました。英語と日本語の違いをほとんど感じませんでした。
岡本さん、
そうですね。「ノルウェイの森」は初めになんか大学の生活について、だんだん話が重くなってしまいました。「海辺のカフカ」は今までややこしい気がして、非常に分かりにくい話ですが読書が止められなくなりました。
次は「IQ84」を読んでみます!
今日のニュースによると、村上の最新の短編小説が12月に発表されるそうです。
題前は「ドライブ・マイ・カー」。Beatles の曲 "Drive my car" から採ったそうですよ。
楽しみですね。
すごい!それは私の気に入るビートルズの歌ですよ!もちろん、楽しみです!www
「ドライブ・マイ・カー」は人気のある曲なんでしょうね。私も先日さっそく聞いてみました!次の作品が楽しみです。本の出版ではなく、雑誌に発表されるそうです。
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