私が運営する日本語教師グループ Private Japanese Lessons が日本語を アニメーションで教える新シリーズを始めました!日本語学習に大切なポイントを毎回5分ほどで教えます。短いビデオなので見るのも簡単。説明も簡潔にまとめてあります。どうぞ一度ご覧ください!!
This blog explains Japanese grammar, expressions and words. I hope you will find it beneficial. 日本語上級者向けに日本語の文法や単語、一般的な質問について、私の経験を基に解説しています。ブログ上の日本語は通常、日本人が書いたり、読んだりするレベルと同じです。
2021年5月30日日曜日
2021年5月15日土曜日
「帰る」「戻る」「帰って来る」
シリーズ第三弾は「帰る」の使い方です。「帰る」は「行く」と「来る」と共に最初に習う動詞の一つですが、使える範囲は意外に限られています。
- 家に帰る
- (自分の)国に帰る
駅に戻る。
英語でよく言う "I will be back soon." も「すぐに戻るよ」と訳すのがいいでしょう。"I will be back home soon." なら「すぐに帰るよ」と言えます。
会社やホテルも「帰る」を使うことができます。自分が属している場所と考えられるからです。
では、次の場面で何と言うか、考えてみましょう。
日本に住んでいるスペイン人がスペインに行く場合。
夏休みにスペインに帰ります。
そして、この人がスペインで夏休みを過ごした後、日本に行く場合。
もうすぐ日本に帰ります。
スペイン人でも日本に住んでいるから、この人にとって日本は属している場所になります。
そして、日本で友だちがこの人に「いつ日本に来たか?」聞く場合。
いつ日本に帰って来ましたか?
「帰る」と「帰って来る」の違いは何でしょうか。スペイン人のAさんと日本人のBさんが日本(同じ場所)にいて、Aさんがスペインに行けば、「スペインに帰る」と言えます。Aさんが他の場所に移動します。
一方、AさんとBさんが同じ場所にいて、Aさんがスペインから今二人がいる場所に戻れば、「ここに帰って来る」と言えます。Aさんは他の場所に移動してから、今いる場所に戻ります。「~て来る」の「来る」は「今いる所に戻る」という意味です。
最後にもう一つ。すてきなレストランや、きれいな町に行って、”I want to come back here.” と言いたくなりますが、日本語では何と言いますか。レストランも旅行で行った町も自分が属している場所ではないので、「帰る」を使うのは変です。この場合は次のように言いましょう。
またここに来たい。(I want to come again.)
「また」の代わりに「もう一度」でも良いです。
2021年5月4日火曜日
Number は番号?数?
シリーズ2つ目のトピックは "number" です。これも生徒と話している時、たまに気になる英単語の一つです。日本語を習い始めてすぐ、ほとんどの人が「電話番号」という単語を知るので、「number = 番号」と覚えてしまうのは仕方がないことでしょう。でも、「number = 番号」はいつも正しい翻訳というわけではありません。今日はこの点について書いてみます。
まず、「番号」から。
番号:電話番号、部屋番号、クレジットカード番号など、何かを特定するために0~9を使って表している。
例えば、「のぞみ100」という新幹線があれば、「100」はその新幹線の番号です。番号はその新幹線のアイデンティティを特定していると言えます。
次に「数」(かず)という単語もあります。
数:物がいくつあるか、または人が何人いるかを表している。
例えば、「コロナウイルスの感染者の数は1000人です。」「この部屋のいすの数とつくえの数を教えてください。」
「いすの番号」と言ったら、 いすにその個体を特定する No. 1 とか、No. 2 などの番号が付いていることになります。
最後に、「数字」(すうじ)という単語もあります。0,1,2,3,4,5,6,7,8,9は漢字でもひらがなでもカタカナでもない。数字です。
2021年5月3日月曜日
Student は学生?生徒?
今月は日本語と英語の単語の違いを3つ続けて、投稿しようと思います。4月中にブログを書かなかったし、ゴールデンウィークに家にいるし、やってみましょう。3つのトピックを選びました。日本語での正しい使い方を知っていると日常会話で役に立つと思います。
① "student" は日本語で何?
日本語学習者は 「student= 学生」と覚えることが多いでしょう。でも、それだと日本語では正しくない場合があります。student には「生徒」という日本語訳もあるからです。では、「学生」と「生徒」の違いは何でしょうか。
学生:その人の社会的ステータスを表す。つまり、小学生から大学生の間の人。反対の言葉は「社会人」(working adult) 。
生徒:何かを習っている人。つまり、社会人でも何かを習っている人は、そのクラスの中で student です。反対の言葉は「先生」。
では、「先生」はどういう意味で、いつ使うの?
先生:何かを教える人。teacher-student の個人的な関係を表す。
例「みなこは私の日本語の先生です。」「私は田中先生から料理を習っている。」
また、「先生」は teacher だけではなく、弁護士や政治家の名前を呼ぶ時にも使われます。
例(私の弁護士の名前が「山田」の場合)「山田先生、お世話になっています。」
これに対して、teacher には「教師」という訳もあります。
教師:その人の職業を表す。
例(自己紹介)「私は日本語教師です。」
例(他の人を紹介する) 「山田さんは高校教師です。」
このような使い方の差を考慮して、次の例を考えてください。
教えている外国人が「私は悪い学生です。」と言うのを、私は時々聞きます。外国人が宿題をしなかったり、前に習ったことを覚えていない時に、こう言うのですが、実はこの文は正しくありません。"I'm sorry that I didn't study what I had learned. For you, I'm a bad student." と言うなら、「私は悪い生徒です。」が正しい文です。特定の teacher and student の関係を表しているからです。
あと、よくある質問は "How many students do you have?" です。これを訳す時は「学生」と「生徒」どちらを使いますか?
答えは「生徒は何人いますか。」または「何人生徒がいますか。」で、「生徒」が正解です。
一方、"When I was a student, I did many bad things." みたいなことを日本語で言いたいなら、「学生の時、悪いことをいっぱいした。」になります。今は社会人になった人が昔を思い出して話しています。
「学生」「先生」という単語は日本語学習を始めてすぐに習うので、頭に残っている単語です。それで、「生徒」「教師」という新しい単語がなかなか覚えられないかもしれません。
My student, your student などと言いたい時は「生徒」を使うということを覚えておくといいでしょう。
直訳できない "It's a beautiful day!"
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