N4レベルを教えていると、必ず生徒が混乱するのは「そう」と「よう」です。皆さんも迷ったことがありますよね?または、今迷っていますか?英語では両方 "appear" "look like" と訳すことが多いので、何がちがうの?!と思いますよね。
それで、「そう」は "likely to happen" "nearly happen" と考えた方が違いが出て、わかりやすくなると思います。
「verb stem + そう」(例:し
雲が多くて、空が暗いです。雨が降る直前です。この場合に、「雨が降りそうです。」と言います。そして、よく「今にも、雨が降りそうです。」とも言います。「今にも」の意味は "soon" "in a moment" なので、「verb stem + そう」は、まだ起きていないこと、つまり、将来に何かが起きる可能性を指しています。
次に、この絵はどうでしょうか?屋根のかわら (roof tile) が二つ落ちています。そして、あと二つはまだ屋根の上にありますが、もうすぐ落ちる可能性があります。だから、この場合は「かわらが落ちそうです」と言います。
一方、「よう」は今見ている場面をそのまま表すためには使いません。まず、何かを見る→ そこから何が起きたか、または何が起きているのかを推測して、自分の判断をくだすというプロセスがあります。
- 何かを見る:窓の外に虹を見る。地面には水たまりがある。
- 推測し、判断する:雨が降った。(でも、雨が降っていたのは知らなかった。)
この場合に「さっき雨が降ったようです。」と言います。
- 何かを見る/感じる:だれかが料理をしている。スパイスのにおいがする。
- 推測し、判断する:カレーを作っている。(でも、何を作っているか知らない。)
この場合に「カレーを作っているようです。」と言います。
このように、「よう」を使うためには、まず見たり感じたりして情報を得ます。それに基づいて、自分で何かを推測することが必要です。
では、もう一例。「そう」は形容詞と一緒に使うこともできます。
カレーができました。まだ食べていないから、おいしいかどうかわからないけど、「このカレーはおいしそうです。」これも、「おいしい」という可能性があることを表しています。「おいしそう」は "It looks delicious." と訳されますが、"It could be delicious." という意味を含んでいます。そして、「形容詞+そう」の場合は将来に起きる可能性ではなく、現在の状態の可能性を表しています。カレーを味見するのは少し後(将来)ですが、このカレーはおいしいかもしれないという可能性です。
そのため、"This baby looks cute!" は「この赤ちゃんはかわいそう。」にはならないのです。英語では赤ちゃんを目の前にして、”She looks cute." と言いますが、今見ている赤ちゃんはかわいい可能性があるという言い方ははとても変ですね。食べていないカレーは味がわからないから「おいしそうです」と言えますが、目の前にいる赤ちゃんをかわいいと思えば、「かわいいです」と言います。
*「そう」はもう一つの意味 ("I heard" "Someone told me" ) がありますが、ここではそれについては書いてありません。