10月になったのに、東京は暑い日が続きます。9月は初日から雨で、涼しかったので、気候がおかしいことがよくわかります。
さて、今日のテーマは「のです(んです)」です。「のです」は書き言葉と話言葉。「んです」は主に話言葉で、「のです」よりカジュアルです。どちらも本当に本当によく使う表現ですが、教師にとっては説明が難しくて、生徒にとっては理解が難しい表現ですね!困ったものです。
そこで、今日は「のです(んです)」の一つの使い方のみを教えようと思っています。まず「のです(んです)」の基本を説明します。
「のです(んです)」は、話し手と聞き手、両方が知っている事実について話す時、使う。
これ、忘れないでください!だから、自己紹介する時に、最初の文で「私はみなこなんです。」と言いません。 初めて会った相手(聞き手)は、私の名前は知らないはずだから、ここで「んです(なんです)」を使えません。
「のです(んです)」の一番わかりやすい例はこれです。
病院で山田さんは痛そうです。医者はそれを見ています。
医者:どうしたんですか。
山田: 足をけがしたんです。
山田さんの体に問題があることは、医者も見て知っています。それで「どうしたんですか。」(What happened? / What's the matter?) と医者が質問しています。「どうしましたか」ではなくて、「どうしたんですか。」と言うことで、医者が見ていることに対して、好奇心を持っていることがもっと表されています。
山田さんも答える時に「足をけがしたんです」と言って、私たちが共有している「私が苦しんでいる事実」について、説明したいという気持ちを表しています。
私はこの使い方が基本中の基本だと思っています。これを理解した上で、今日の例文に進みます。短い会話ですが、最後の文は結論です。
上田:けっきょく東京オリンピックは無観客でしたね。
西:はい、あの時は感染者数が多かったし、ワクチン接種も進んでいませんでした。
上田:そうですね。多くの日本人は、スタジアムに多くの人が集まって、感染が拡大することを心配していたんです。
このように結論、またはまとめを言う時に、「のです(んです)」を使うことができます。東京オリンピックをめぐる状況について、上田さんも西さんも知っていて、二人が共有している事実について、最後に「んです」を使って、まとめを言います。
次の例は会話ではなくて、説明文です。
漢字は昔中国から日本に入ってきました。そして、日本人が漢字を変形させて、ひらがなとカタカナという日本の文字を作りました。漢字だけではなく、政治の制度や、農業や物を作る技術なども中国や朝鮮半島から日本に入ってきました。このように外国から新しいものを学び、日本は発展していったのです。
いくつかの説明によって、それを書いた人(私)も読んだ人(あなた)も同じ情報を共有します。そして、最後の結論の文に「のです」が使ってあります。
こんな風に、日本語の文章の最後の文には「のです(んです)」がよくあると思います。何かを読む時、段落や章や本の終わりの方にこの表現を見つけてみてください。JLPT用の読解問題や聴解問題の文章にもこのパターンをよく見ますよ!
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