2021年8月28日土曜日

直訳できない:Too hot to walk

 残暑お見舞い申し上げます。

これは季節の挨拶です。知っていますか。「まだ暑さが残っていますが、お元気ですか?」と聞くために、知り合いや友人たちに葉書を出します。もう8月末なので、夏のまん中ではなく、夏の終わりですが、「残暑が厳しいですね~」と言うのは、毎年変わりませんね。今年はいつ涼しくなるの?という質問に加え、いつコロナウィルスの感染者が減るの?という質問も聞かれそうです。

先週もとても暑かったので、私の生徒は "It's too hot to walk outside." と日本語で言おうとして、どう言うか考えていました。"Too" は「すぎる」で、"to" は「に」かな?と彼は考えましたが、結局日本語の文が作れませんでした。

It's too hot to walk outside.

この文は直訳するのではなく、頭の中で文の作り方を変える必要があります。まず、この文を二つに分けましょう。

It's too hot. I can't walk outside.

"to walk outside" を "I can't walk outside." に変えると、日本語らしい考え方になります。この転換が大切です。そして、この二つの文の関係性を見ると、前半が理由、後半がその結果です。

【理由】暑すぎます。⇒【結果】外を歩けません。

理由があったら、どの表現を使いますか?やっぱり「から」がいいですね。

暑すぎるから、外を歩けません。

これは正しい文ですが、多くの日本人は別の言い方をすると思います。

暑すぎて、外を歩けません。

て形(すぎて)も、理由を表すことができるんです。でも、その場合には条件があります。「結果」の部分に話者の意思が含まれていないことです。「歩けません」(I can't walk.) は可能形 (potential form) なので、話者の意思を含む行動 (action) じゃありません。これは「状態」(state) のです。

【理由】~て、【結果】状態。

結果の部分が状態か、状態じゃないか、はっきりわからない」とか、「考えるのがめんどうくさい」と言う人もいるでしょう。でも、それを瞬間的に判断して「~て」と「~から」を使い分けているのも、日本語的な考え方だと思います。こういう技を身につけるのはなかか大変だから、下記のパターンを覚えてください。

"too hot to walk outside" とか "too spicy to eat" など

⇒「~すぎて、~できない」を使う。 

 

2 件のコメント:

T さんのコメント...

10年前に日本語の勉強を始めて、Okamoto先生のブログを見つけました。

ブログの内容は教科書にないことを教えていて、Okamoto先生が使っている日本語もわかりやすくて大変勉強になりました。

当時にいろいろあって日本語の勉強をやめることになりました。

最近、コロナの影響で外に出れなくて暇過ぎて、また日本語を勉強しようかなと思いました
Okamoto先生がまだ投稿していることに驚いた!でもとてもうれしいです。

今は遅れを取り戻して、何年前かの投稿を読んでいます

次の投稿を楽しみにしています!

Minako Okamoto さんのコメント...

Tさん、コメントありがとうございます!
はい、まだ日本語も教えていて、ブログも書いていますよ。こういうコメントをもらったら、長く続けていて良かったなと心から思います。ありがとう!
Tさんの日本語は十分上手ですが、語学の勉強にも終わりはないと思います。
コロナの感染に気をつけてくださいね。

直訳できない "It's a beautiful day!"

 明けましておめでとうございます!今年もよろしくお願いします!! と言いながら、最近はブログの更新をなまけています。読んでくださる方、ありがとう。 2023年は世界に平和が訪れることを心から願います。歴史を振り返ると、人間は戦争を繰り返していますね。今までの人類の半分は戦争で死ん...