2021年5月15日土曜日

「帰る」「戻る」「帰って来る」

 シリーズ第三弾は「帰る」の使い方です。「帰る」は「行く」と「来る」と共に最初に習う動詞の一つですが、使える範囲は意外に限られています。

  1. 帰る
  2. (自分の)帰る
この二つが基本です。つまり、自分が属している場所に帰る。"I will return to the station." を「駅に帰る」と言うと、おかしいです。ほとんどの人にとって、駅は「自分の場所」ではありませんね。では、この場合に何と言ったらいいか?
駅に戻る

英語でよく言う "I will be back soon." も「すぐに戻るよ」と訳すのがいいでしょう。"I will be back home soon." なら「すぐに帰るよ」と言えます。

会社やホテルも「帰る」を使うことができます。自分が属している場所と考えられるからです。

では、次の場面で何と言うか、考えてみましょう。

日本に住んでいるスペイン人がスペインに行く場合。

夏休みにスペインに帰ります

そして、この人がスペインで夏休みを過ごした後、日本に行く場合。 

もうすぐ日本に帰ります

スペイン人でも日本に住んでいるから、この人にとって日本は属している場所になります。 

そして、日本で友だちがこの人に「いつ日本に来たか?」聞く場合。

いつ日本に帰って来ましたか?

「帰る」と「帰って来る」の違いは何でしょうか。スペイン人のAさんと日本人のBさんが日本(同じ場所)にいて、Aさんがスペインに行けば、「スペインに帰る」と言えます。Aさんが他の場所に移動します

一方、AさんとBさんが同じ場所にいて、Aさんがスペインから今二人がいる場所に戻れば、「ここに帰って来る」と言えます。Aさんは他の場所に移動してから、今いる場所に戻ります。「~て来る」の「来る」は「今いる所に戻る」という意味です。

最後にもう一つ。すてきなレストランや、きれいな町に行って、”I want to come back here.” と言いたくなりますが、日本語では何と言いますか。レストランも旅行で行った町も自分が属している場所ではないので、「帰る」を使うのは変です。この場合は次のように言いましょう。

またここに来たい。(I want to come again.)

「また」の代わりに「もう一度」でも良いです。 

 

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