さて、今日は「た形の使い方」を考えてみましょう。「た形」を含む表現は何があるでしょうか?
「~た時」「~たことがある」「~たばかり」「~たところ」「~たまま」「~たら」など。基本的に「た形」を使う表現は「た形」の動詞が完了しているという意味ですが、必ずしも「た形」=過去形というわけではありません。その例を見てみましょう。
①毎朝、会社に着いた(A)後で、朝ごはんを食べる(B)。
②昨日、朝ごはんを食べた(A)後で、ジムに行った(B)。Aの動作「会社に着く」 または「朝ごはんを食べる」が完了してから、Bの動作「朝ごはんを食べる」または「ジムに行く」という動作を行います。時間的順序は次のとおりです。
会社に着く→朝ごはんを 食べる
朝ごはんを食べる→ジムに行くBの動詞の時制は現在形も過去形も文の内容に合わせて使えるのですが、Aの動詞はいつも「た形」を使います。そこには完了の意味が含まれているからです。特に①の文は過去形の文ではありませんが、「着いた」になることがポイントです。
「~た時」にも同じルールがあります。
わたしは いつも つかれた時、マッサージに行く。文全体は現在形ですが、「つかれた」だけ「た形」」になっています。これは「つかれた」という状態になった後で、マッサージに行くという意味です。
つかれる→マッサージに行く上の時間的順序にそって、「つかれる」を完了の意味にしなければなりません。
「~たら」も同様です。
そこを右に曲がったら、駅がある。
雨が降ったら、家で映画を見よう。
京都に行ったら、きれいな庭が見たい。
山田さんが来たら、田中さんは帰るでしょう。
宝くじにあたったら、何を買いますか。
駅に着いたら、あなたに電話をします。最初の動詞(A)は全て「た形」で、それが終わった後で動詞Bをする、または動詞Bが起こる。つまり、動詞(A)と動詞(B)は時間的に順番通りに並んでいます。
どうして "if" の文でた形を使うの?という疑問を持つ人は多いですね。こういう訳です。
4 件のコメント:
岡本先生、
お久しぶりです。お忙しい中いつも面白い投稿を書いてくださってありがとうございます。
僕はあまりコメンントを書かないけど、ほぼ毎日岡本先生のブログを読んでいます。
いつも新しい投稿を書いてくださるのを楽しみにしています。
これからもよろしくお願いいたします。
pushindawood san, おひさしぶりです。寒くなっていますが、お元気ですか?
毎日このブログを読んでくれて、ありがとうございます!うれしいです。
毎月1回これからも書いていきます。
岡本先生、ご説明をありがとうございます。分かりやすいです。でも、「日本に行くなら(A)、京都に行けなければなりません(B)」のような文には、「なら」が使われていますが、Aが最初、Bが次になりますね。このような使い方について教えていただけませんか?
2019年2月6日にコメントを書いてくださった方、この投稿はテーマを変えて書き直しました。「たら」と「なら」については、2019年5月中に新たに書く予定です。
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