2015年7月18日土曜日

日本語の「省略」

English translation

日本は今日から3連休。7月20日月曜日は「海の日」です。海の日は最近始まったばかりだと思っていたら、もう20回目だそうです。来年からは8月11日が新しい祝日になって、なんと名前は「山の日」です!短い夏休みしかとれない日本の会社員の休日を少しでも増やそうという国の方針ですかね?
この3連休は曇りや雨の地域が多そうですが、東京はなんとか晴れそうです。楽しい週末が過ごせるといいですね。

さて、今日は日本語の「省略」について考えようと思っています。日本語は「私」や「あなた」まで省略してしまう言語ですから、みなさんが日本語を聞いたり、読んだりした時に、「この文には何が隠されているんだろう??」と思うことがよくあるんじゃないでしょうか?

まず、主語の省略について簡単に書きます。2人で会話をしている時に主語がなくても「私」について話しているのか、「あなた」について話しているのかは大体わかりますよね。
でも、2人の会話の中に他の人(第3者)が出て来た場合、もちろん初めて第3者に触れる時にはその人の名前を言うはずです。(そうじゃないと、だれのことかわかりませんね。)
そして、次にその人について話す時、その名前は言わずに、会話をしているかもしれません。(いつもではないと思います。)
それでも、だれについて話しているか、話者たちがはっきりわかる理由は動詞にあります。
会話の内容を考慮すると、その行為をした人(主語)が必然的に決まる動詞があります。例を3つ挙げます。

  1. あげる、もらう、くれる:例えば、「くれる」を使ったら、主語は「私」ではない。
  2. 敬語:例えば、「いらっしゃる」を使ったら、主語は「私」ではない。
  3. Someone said - 言いました(言った)、言っていました(言ってた):「言ってた」を使ったら、主語は「私」ではない。("I was saying" の場合は「私」もあり得る。)

(どうして「くれる」と「いらっしゃる」と「言ってた」を使ったら、主語が私ではないの?という説明は今回は省略しますが、その質問がある人は下記のコメントに書いてください。)

つまり、ここでのポイントは「日本語では主語が省略されていても、動詞から主語を推測できることがよくある」ということです。どの動詞が使われているか、注意深く聞く(読む)ことが大切です。

次はとても短い省略文を紹介します。日本に住んでいる方は何回も聞いたことがあるはずでしょう。

  • 私はビール。
  • 日本は長いんですか?

「私はビール。」を英訳したら、"I am beer." ですよね。これでは、まったく意味がありませんが、この文をレストランでビールを注文する時に言えば、意味を成すんです。この省略文の完全な形は
私はビールにします
ここで「します」は "choose" や "decide" の意味なので、「(メニューの中から)私はビールを選びます。」と言っているのです。動詞がなくても、状況から意味が判断できるので、動詞を省略してしまうのでしょうね。

次の「日本は長いんですか?」の英訳は "Is Japan long?" です。たしかに、日本は北から南まで長いですけど、この質問の本来の意味は "Have you been in Japan long?" です。この省略文の完全な形は
あなたが日本にいるの(時間)は長いんですか?
ずいぶん省略されましたね。 これも初めて会った人に質問するという状況があれば、意味を成すことになります。

最後の例は、文法的には省略形ではないですが、動詞が使われていません。
Q. もう田中さんに会いましたか?
A. まだです。
この「まだです」には「まだ会っていません」という意味が含まれています。 本来の文は「会っていません」という否定なのに、「まだです」という肯定文で表しているのがおもしろいですね。
もともと、「まだ+です」は「まだ~していません」という意味なので、「~」の部分(動詞)は前の文から判断するということです。

ところで余談ですが、先日バイリンガルの日本人と食事に行った時におかしいことがありました。その友だちが日本語と英語を混ぜて話していたところ、お店の人が彼女に「日本は長いんですか?」と聞きました。彼女の英語は完璧ですが、外見は完全な日本人なので、日本人に対してその質問をするのは変だな~と私は感じました。「海外は長かったんですか?」の方が自然な質問だと思うのですが・・・