2012年9月30日日曜日

料理の言葉

みなさんは料理が好きですか?私は料理が好きで、よくしています。忙しい日にはかんたんな物しか作りませんが、忙しい時こそ、料理をすると気分転換になります。そして、休日には今までは買っていたジャムやパスタなども最近は自分でよく作っています。
大学生の時には、当時の英語の先生からアメリカの料理の本 "joy of cooking" をもらって、それを読むのが大好きでした。そのレシピを読みながら、アメリカの食卓風景を想像していました。今の私はぜったい日本料理の方が好きですが、当時は異文化に触れている感じが楽しかったのですね。それに、料理本を読むのは英語のいい勉強方法でした。

それで、今日は料理の動詞について書こうと思います。
焼き肉、焼き鳥、焼き魚、焼きおにぎり、お好み焼き、鉄板焼き、たまご焼きなど。
 
上記の料理は定番料理。みなさん、食べたことがあるでしょう。「焼き」は ここで "grill/ broil" 。

また、オーブンでケーキを焼く (bake) も、オーブンでチキンを焼く (roast) も、トースターでパンを焼く (toast) も、全部「焼く」が使えます。

「焼く」の定義は「食材に火に当てて、熱を通し食べられるようにする」なので、料理方法が幅広いのです。

でも、焼きそば、焼きうどんの実際の料理方法は「炒める/いためる」 (stir-fry) ですが、名前には「焼き」が付いています。ご飯を炒めて作るチャーハンは漢字で炒飯です。

炒める」という料理法が油を少量使うのに対して、「揚げる/あげる」場合は大量の油の中に食材を落として調理します。鶏のから揚げ、串揚げ、天ぷら、とんかつなどですね。

油っぽい料理が苦手な人は蒸し物を食べるといいでしょう。食材に湯気を当てて、火を通して、「蒸す/むす」 (steam) ので油を使いません。茶わん蒸しや、肉まんがいい例です。そして、日本の夏の不快な「蒸し暑さ」も料理の「蒸す」と同じ状態のようですね。

「焼く」は広範囲に使える動詞ですが、反対に細かい分類がある調理方法を紹介します。まず、水を温めて、お湯にすることは「沸かす/わかす」 (boil) です。「お湯を沸かす」と言います。(注意:「水を沸かす」ではない。)
次に、水またはお湯の中に食材を入れて、火を通すことは「ゆでる」です。うどんや枝豆をゆでる。これは、食材に火を通すというのが目的です。
でも、だしやスープなど味の付いている液体の中に食材を入れて、味を付けるという目的がある場合には「煮る/にる」を使います。野菜の煮物、煮魚など。日本料理にはだし、しょうゆ、砂糖などで味付けし、煮る料理が多いですね。
今、「ゆでたまご」と「煮たまご」の違いがわかりますね?

最後に、日本人にとっての特別な食材「お米」の調理法は何でしょう?米を「炊く/たく」。「炊く」はお米についてのみ使われます。(西日本では「煮る」と同じように使われることもある。)お米を炊く時に使う便利な機器は「炊飯器/すいはんき」。日本人の必需品ですね。

今はおいしい秋の食べ物がたくさん出ていますから、秋の味覚を味わってください。

2012年9月10日月曜日

夏の旅行記

みなさん、楽しい夏を過しましたか?夏休みは終わりましたが、日本は残暑がきびしくて、まだまだ暑い夏が続いています。

私は8月末に青森県は弘前市(ひろさきし)に行って来ました。ここはりんごで有名な所ですね。小さい町ですが、桜で有名な弘前城が町の中心にあり、明治時代に建てられた洋館が所々に残っていて、昭和っぽい雰囲気の街並みもあったりして、いい所でした。
弘前に洋館がたくさん作られた理由は、明治時代に弘前市が教育に力を入れて、外国人教師をたくさん招いたためだそうです。そして、キリスト教も伝わってきて、教会も多く作られました。
いつも思うのですが、飛行機や電車、もちろんインターネットもない時代に外国で暮らすことは本当に大変だったでしょうね。今と比べれば、辞書の内容も劣っていて、外国語の学習も苦労が多かったはずです。

旧弘前市立図書館

日本キリスト教団弘前教会
 
旧東奥義塾外人教師館


ところで、有名な日本人作家・太宰治(だざい おさむ)は青森県出身で、弘前市の高校に通っていて、1927~30年まで弘前に住んでいました。彼は弘前のことを著書の中でこう言っています。(*1)
弘前市の決定的な美点、弘前城の独特の強さを描写する事はついにできなかった。重ねて言う。ここは津軽人の魂の拠りどころである。何かあるはずである。日本全国、どこを捜しても見つからぬ特異の見事な伝統があるはずである。私はそれを、たしかに予感しているのであるが、それがなんであるか、形にあらわして、はっきりこれと読者に誇示できないのが、くやしくてたまらない。
 
好きだけど、良さが何だかわからない。いやなところもあるけど、嫌いにはなれない。ふるさとを思う気持ちは複雑なんですね。

また、東北は米の産地なので、青森でたくさんの田んぼを見ました。8月上旬に行った新潟にもきれいな緑の田んぼがいっぱいありました。田んぼには稲という植物が育ちますが、稲の実が米です。この「米」という漢字は「八・十・八」からできています。(最初の「八」は上下が逆になっていますが。)

ある本(*2)によると、「八・十・八」とは農家の人たちが88の手間をかけて米を作るという意味があるそうです。他にも、稲には88の利用法があるという別の意味もあります。

そして、白い米を炊いたものが「ごはん」(御飯)になります。江戸時代、日本では玄米が主流だったのですが、江戸(今の東京)の人々だけは庶民でも白米を食べていたそうです。当時の経済基盤は米で、武士の給料も米で払われていたため、江戸には大量の米が集まっていました。それで、江戸市民は将軍と同じ白米=ごはん(御飯)を食べていたそうです。敬語の「御」が付いているので、白米に価値があったことがわかりますね。
ちなみに、私は「日本産の白米しか食べたくない主義」です。玄米は好きじゃありません。そして、日本産の米は外国産より断然おいしいですからね。

つらつらと、とりとめのないことを書きましたが、みなさんの休みの話も聞いてみたいです。

日本海と田んぼ
 
 
*1 『津軽』、太宰治、新潮文庫、1951年
*2 『うつくしく、やさしく、おろかなり―私の惚れた江戸』、杉浦日向子、ちくま文庫、2009年