今日はこの「煮込む」の「込む」という動詞について考えてみましょう。これは「煮る」+「込む」の二つの動詞が組み合わさっています。「込む」は漢字に「入」が含まれているように、「中に入る/入れる」の意味があります。
次の例を見てみましょう。
(グループ1)
彼はプールに飛び込んだ。(プールの中深くに 飛んで、入る。)
嫌いな食べ物をかまないで、飲み込んだ。(食べ物をのどの奥深くに入れて、腹の中まで送り込む。)
雪が部屋の中に吹き込む。
電車に乗り込む。
どろぼうは裏口から入り込んだ。
でも、「煮込む」は野菜や肉をスープの中に入れることを表しているわけではありません。この「込む」は「最初の動詞の行動を時間をかけて、ゆっくり行う」ことを表しています。つまり、「煮込む」は「材料をスープの中で2~3時間煮る」ということです。
(グループ2)
久しぶりに友だちと会って、話し込んだ。(時間がたつのを忘れて、話に夢中になる。)
この問題について、考え込んでしまった。(長い時間、真剣に考える。)
知らない内にソファでぐっすり寝込んだ。 (深く、よく眠る。)
次にグループ3は「同じ状態をそのまま続ける」ことを表しています。例えば、
私は疲れて、駅で座り込んだ。(その場に座ったまま、動かない。)
彼は怒ると、いつも黙り込む。(何も言わないままでいる。)
かぜで一週間、寝込んだ。(病気の状態が続いて、寝たままでいる。)
3つのパターンがわかったでしょうか?まとめると、
- 中に入れる/入る、だれが見てもこの様子はわかる。
- 時間をかけて、ゆっくり行う、話し手の主観的な気持ちが表わされる。
- 同じ状態を続ける、だれが見てもこの様子はわかる。
最後に、駅と電車でよくある注意を紹介します。どういう状態かわかりますか?
駅のアナウンス: 危ないので、かけ込み乗車は おやめください。
電車のドアの注意書き: 戸ぶくろに 手を引き込まれないように 気をつけてください。
8 件のコメント:
Alyksさん、コメントありがとうございます。
おぞう煮もおいしいけど、鍋の最後におもちを入れて、煮込んでもおいしいですよ!
何か質問があれば、いつでもリクエストしてください。
すごいポストでした。お世話になりました。
まさか三つのニュアンスもあるとは思いませんでした。「込む」って面白いですね。特に「座り込む」「黙り込む」という使い方を面白く考え込んでいます。(使ってみたっ!)「座りっぱなし」「黙りっぱなし」とはやはりニュアンスが違いますね。微妙なようですが、その点について少し詳述していただけないでしょうか。
Jonathan-san, おもしろい質問ありがとう。
「~っぱなし」も「ある状態が続く」ことを表していますけど、その状態に対して、話し手の不満が込められていますね。
例えば、「あなたは さっきから だまりっぱなしだよ」には「早く何か話してよ!!」という不満や非難が感じられます。
日本語では 二つ目の動詞によって、色々なニュアンスが表わされるのですね。
とても便利な日記ですわ!
今まで、「込む」という意味が分かりませんでした。
本と雑誌に、「座り込む」とか、「入り込む」とか、「飛び込む」とかをしばしば読みますが分かりにくい意味でした。
おかもとさんの日記を読みましたので、今、正しい使い方が分かります。 ありがとうございます!
会話に、「込む」だけを使えますか? 例えば、「彼女は部屋に込みました。」
二つの動詞がないで、「込む」が一つの動詞です。
そういう使い方が正しいですか、「込む」はいつも動詞の語末ですか?
あの、私の質問が分かりますか? ちょっと、説明しにくい...
日記を楽しみました!
今、煮込み料理を食べたい! (笑)
Rei-san,
質問はよくわかりますよ。「込む」だけでは「こんでいる」という意味では使います。
「電車がこんでいる」などです。漢字は「込む」と「混む」、どちらも使えます。
おかもとさんへ、
分かります。
説明してくれたありがとうございます!
あの、 もう一つの質問があります。
「込む」について質問ではないけど。
とても紛らわしい日本語の動詞は「かける」と「かかる」だと思います。
例えば、「追う」と「追いかける」という意味の区別が分かりにくい。
「呼びかける」とか、「話しかける」とか、ちょっと使いにくいと思います...
どうして、「動詞 + かける」と「動詞 + かかる」を使いますか?
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